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2020年度 11月

深大寺保育園では今年度東京都のすくわくプログラムの活動として、園庭に畑をつくりました。その様子をご紹介したいと思います。
<深大寺保育園すくわく活動の土台>
子どもたちは普段から遊びの中でも土に触れ、銀杏の葉を集めてベットにしたり、園にくるクワガタをみんなで囲んだりと常に自然や生き物と共に過ごしています。そして、園庭で泥団子を作りながら、「なんでこんなに硬くなるんだろう?」「お姉ちゃんが『水を混ぜると固くなる』って言ってたよ」と言い合ってなんでだろう?どうしてだろう?が広がって園庭には色々な種類の土があることに気付き、遊びを膨らませています。
毎年用務員さんが手作りしてくれた腐葉土をもらったりしながらプランターでオクラやキュウリ、メロンや小玉スイカ等の夏野菜、カリフラワー、にんじん、ブロッコリー等の冬野菜も育てています。小玉スイカをもう少し大きくなるまで待ってみようと大事にしすぎて食べられなくなってしまったこともいい思い出です。地域の農家さんの畑に春はじゃがいも堀り、秋はさつまいも堀りに行かせて頂き園庭で落ち葉を集めて焼き芋をしてみんなで食べています。煙の匂いやあつあつのお芋を子どもたちも楽しみにしていて、いつもより食が進む子もいます。近くの農協さんのご好意で大根堀りに行かせて頂くこともあります。
<すくわくのはじまり>
そんな日々を過ごす中で、こんなことがありました。
植物に関心の高い5歳児のNくんは、プランター栽培の野菜に水をあげながら「野菜に水をあげているけど、土が濡れていないのはなんでだろう?」「土が濡れないといけないんじゃない?」と言っていました。
その質問に対して保育士は
「本当だね。上から(水を)かけても土は濡れないね」
「でもなんで土が濡れないといけないの?」
Nくんは「土に根っこがあって根っこにも水をかけてあげないといけないんだよ」
答えました。それを聞いていた周りの子どもたちも「そうだよね」と口々に言っていました。Nくんは上からではなく様々な角度から水をあげて「どうやったら水で土が濡れるのか?」を試行錯誤していました。
日頃からこの広い園庭をもっと生かせるのではないかと考えていたので、すくわくで「園庭テーマにしたらどうか」ということになりました。野菜が育つには土がしっかり濡れることが必要と気付いた子どもたち。
そして普段の遊びの中で土の違いに気が付いた子どもたち。
その遊びが展開される自然豊かな深大寺保育園の園庭。
色々な要素が揃って深大寺保育園の畑づくりがはじまります。
<動き始めたすくわく>
話し合いも難航し、想定よりスタートがゆっくりになってしまったすくわくプロジェクト。
普段は畑に収穫の時に出かけ、実際育てるのはプランターだったので、畑で育ててみたいね、というお話になりました。
畑の枠組みは普段からお世話になっている造園会社さんにお願いすることにしました。
最初のプランでは大きな畑に畝を作って・・・と夢が膨らんでいたのですが、水場の近さや日当たり色々考えて少し小さな畑から始めることになりました。
畑づくりに関しては年長児クラスを中心に進めていくことになりました。
年長クラスは普段から子どもたちのミーティングを行っています。
積極的に意見を言う子もいれば、言いたいけど恥ずかしくてなかなか言えない子もいて、それぞれの個性が出ますが、友達が意見を言うと負けまいとどんどん意見が出てきて盛り上がりました。
園庭に畑を作らない?という提案に「いいよ!」「プランターで人参育ててるから畑でも育てたい」等の言葉がすぐに返ってきました。
「じゃあ、畑を作るのに何が必要かな?」と保育士が投げかけると
「プランター」とSくん。
するとTくんが「畑なんだからプランターはいらないでしょ」と返答。
それに対してSくんは返答に困っていたが「じゃあ土かな?」と答えていました。
やりとりを聞いていた職員が「プランターと畑って何が違うの?」と話を振ると「畑の方が大きい」「(畑の方が)たくさん野菜が出来る」「畑の方がいっぱい土がある」等
沢山の意見が出てきました。
「じゃあ畑ではどんな野菜を育てたいかな?」と聞くと「人参」「大根」「いちご」と知っている野菜を次々という子どもたち。そんな中で、Kちゃんが「今寒いから寒くても育つ野菜がいい」とひとこと。そうなんです。子どもたちだけでなく、用務の先生も含め、先生たちの意見も多く出て、あれやこれやとしているうちにとうとう寒くなってきてしまったのです。
遅れてしまったのが今回最大に悔やまれるところですが、諦めないのが深大寺保育園。たくさんの意見の中から寒くても大丈夫な小松菜とかぶを育てることになりました。
それから再度のミーティング。今回は野菜を育てるには何が必要か?がテーマでした。
「毎日水をあげるんだよ」とSちゃん。「太陽がないと大きくならない」とTくん。
保育士は「寒いって話があったけど、寒くても野菜が育つかな?」と問いかけます。
するとSちゃんが「畑におうち(トンネル)があったよ」とよい気付きを教えてくれました。
「なんでトンネルあるのかな?」という保育士にSちゃんは「あったかいから?」と不安そう。「そうだよ」「野菜は寒いと育たないんだよ」と周囲から声が上がり不織布のトンネルを設置することになり、トンネルがある場合とない場合の比較も出来るようにすることになりました。
<いよいよ畑づくり!>
畑の土入れでは、用務員さんの作った腐葉土に加え、足りない分は購入し行いました。
5歳児クラスにお願いしていましたが、2歳から4歳の子どもも加わっていつの間にかにぎやかになっていました。引きずりながら必死に運ぶNくん。手押し車で運ぼうとするYちゃん。一人では運べないことに気が付いて2人で運ぼうとするKくんとNくん。
園の腐葉土と購入した腐葉土の違いに気付いて「こっち(購入した腐葉土)の方がさらさらだよ」とSちゃんが言い、Tくんは「こっち(園の腐葉土)は落ち葉がいっぱいでべとべとしてる」と言って2つの腐葉土の違いを話していました。また、5歳児クラスのHくん、Nくんは虫への興味関心が高く、用務員さんの作った腐葉土に沢山の幼虫がいることを前から知っていました。そのため、土入れの際にも競うように幼虫探しに夢中に。
「そんなふたりに2つの土は何が違うの?と聞いてみた。するとNくんは「こっち(園の腐葉土)には落ち葉がいっぱいあるから幼虫がいるんだよと答えていた。Hくんは「そうなの?」と興味津々な様子でした。
「11月のさつまいも堀りでは沢山の虫に大喜びの2人でしたが、1月の大根堀りでは虫がいなくてがっかり。「なんでいなかったんだろう?」と声を掛けると「寒いからでしょ」と怒ったように言っていて、がっかり度合が伝わるようでした。
「土入れがおわり、次は種まき。5歳児クラスの様子を見て他クラスも「やりたい!」と並ぶ姿がありました。不織布のトンネルがめずらしいようで、トンネルの方が人気がありました。
小さい子に「寒いからだよ」とトンネルの意味を教えてあげる姿もみられました。
「種まき後NくんMちゃんは園庭遊びの際に畑の様子を気にしており、自分たちで水をあげる姿がありました。「どっちが大きくなってる?」と問いかける保育士にNくんは「トンネル方が大きくなっているね」「あったかいからだよね」と温度の違いを実感していました。
種まきが遅くなってしまったので、思うように大きくなっていないのですが、Nくんは「まだ寒いからだよね」「あたたかくなったらもっと大きくなるよね」と希望を持って見守っています。もう少したってあったたかさも感じられたら収穫しようと思っています。
<おわりに>
深大寺保育園での食育は、クッキング保育で調理をしたり、野菜を時には失敗しながらも育て、成功した時は収穫をおおいに喜び味わっています。
でも、今回はすくわくプログラムに挑戦して、普段の遊びの中でも関わっている土や虫も命として繋がっていることを実感しながら畑づくりに取り組むことが出来ました。
命の営みの輪の中で、自然の中に生きているのだという事を実感しながら育っていってほしいと願っています。
来年はまた違うテーマを予定しているすくわくですが、食育活動として今回の学びは次に繋げ、発展させていく予定です。
